ユニック車とは、資材や機材を運ぶときに活躍する、トラックの荷台にクレーンがついた車両の名称のひとつです。なお、工事現場などでは、メーカーにかかわらずユニック車と呼ぶことが多いですが、「ユニック」は古河ユニック株式会社の登録商標です。そのため、古河ユニックでは「ユニッククレーン」ですが、タダノでは「カーゴクレーン」、新明和工業では「CBクレーン」と呼ばれており、「ユニック車をレンタルしてくれ!」と現場から言われて困る担当者もいるでしょう。
ここでは、ユニック車を使う場合に知っておくと便利な情報を、詳しくご紹介します。
目次
ユニック車とは?
ユニック車とは、トラックのキャブ(運転席)と荷台のあいだに積載型のクレーンが装備されている車のことです。走行時には収納されているユニック車のブーム(クレーン車のクレーン部分など棒状の物)ですが、作業時は伸ばして使用します。ブームは3段から7段の長さの種類があり、段数が多いほど長さが長くなります。
ここでは、ユニック車の種類とその役割についてご紹介しましょう。
ユニック車の役割
ユニック車の役割としては、クレーンを利用しての荷物の積み下ろしや運搬作業です。
ユニック車がない場合は、運搬用のトラック以外に、別途クレーンやフォークリフト、油圧ショベルなどのフックを利用して荷物を積み、目的地で下ろす場合にも、同様の機材が必要となります。その点、ユニック車があれば、1台で荷物を積み込んで運搬し、目的地で荷物を下せるので、迅速な作業が可能になるのです。
ユニック車の種類
ユニック車は、「クレーン付き」「簡易クレーン」「ハイジャッキ」の3種類に分かれます。
クレーン付きは、基本的にキャブと荷台のあいだにクレーンが設置されています。簡易クレーンは、荷台の上にクレーンが載っています。ハイジャッキはアウトリガーがついていて、車体を斜めに傾けられます。
なお、荷台がクレーンそのものの場合はトラッククレーンとなり、ユニック車とはいいません。
ユニック車とクレーンを取り付けた架装車の違い
前述したように、ユニックは古河ユニック株式会社の登録商標ですが、トラックにクレーンがついている車は、いすゞや日野、三菱ふそうなど、各社から出ています。これらは、すべてユニック車といえるのでしょうか。
ユニック車のメーカーといえば、古河ユニック、タダノ、新明和工業などがあり、古河ユニックでは「ユニッククレーン」、タダノでは「カーゴクレーン」、新明和工業では「CBクレーン」と呼んでいます。
これらクレーンメーカー以外は、トラックメーカーが車体にクレーンを取り付けた架装車となり、分類上はユニック車ではありません。
ユニック車の運転にはどんな免許や資格が必要?
運搬、積み下ろし作業が1台でこなせるユニック車を運転したり、作業したりするためには、どのような資格や免許が必要なのでしょうか。
まず、ユニック車を運搬するためには、トラックを運転するための自動車免許が必要です。自動車免許の種類は、運転するトラックの大きさに対応したものが必要です。
また、クレーン部分を動かすための資格は、取り扱う吊り上げ荷重により、下記の3つの資格に分けられています。
・移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育
吊り上げ荷重0.5t以上1t未満のクレーンの操作を行うときに必要なのが「移動式クレーンの運転の業務に係る特別教育」の受講で、13時間(2日間)で取得できます。
・小型移動式クレーン運転技能講習
吊り上げ荷重1t以上5t未満のクレーンの操作を行うときに必要なのが「小型移動式クレーン運転技能講習」の受講で、20時間(3日間)で取得できます。
・移動式クレーン運転実技教習
吊り上げ荷重5t以上のクレーンの操作を行うときに必要なのが「移動式クレーン運転実技教習」の受講で、実技教習6日間と学科試験準備講習3日間で取得できます。
運搬と作業の資格を得ても、十分ではありません。実は、吊り上げ荷重1t以上のクレーンなどに物を掛け外しをするためには、「玉掛け技能講習」の受講が必要となります。吊り作業では大きな物、重い物を扱うため、安全かつ効率良く吊り作業を行うためには、正しい知識と技術が大切です。玉掛け技能講習は3日間で取得できますので、ユニック車を扱うならこちらも合わせて取得しましょう。
ユニック車のレンタルをするときに確認したいポイント
ユニック車のレンタルをするときに確認したいポイントとしては、行う予定の作業と吊り荷重の確認、取得している資格が適合しているかということです。
作業面で確認したいのは、アウトリガー付きのユニック車が必要かどうかです。扱う荷物の大きさや重さにより、吊り作業を行うときにアウトリガーで固定する必要があります。アウトリガーで固定をしないまま吊り作業を行うと、バランスを崩して危険です。
なお、最新の機種では、過負荷、つまり定格荷重を超えた吊り作業の防止のために、過負荷を防止する装置が義務付けられましたので、ユニック車をレンタルするときにはこれらについても確認しましょう。
また、もうひとつ重要なのが、無線操縦装置の有無と無線操縦装置の種類です。車両側の操作部で操作を行うことはできますが、離れた場所から無線操作ができるラジコンが便利な場合もあります。また、作業者によっては、操縦席からレバー操作で動かすより、ラジコンのほうがなじみやすい、扱いやすいと感じる人もいるでしょう。その場合は、ラジコン付きのユニック車をレンタルすべきです。
ただし、ラジコン付きユニック車には、注意点があります。それは、ラジコンの種類です。例えば、古河ユニックのラジコンは、「ブームとフックを別々に操作する」モデルと「ブームとフックが連動する」モデルの2種類があります。タダノのラジコンは、「ブームとフックを別々に操作する」モデルです。ラジコンは、慣れてない操作方式だと不安が残る場合もあります。ラジコン付きユニック車をレンタルする際は、作業者の得意なモデルを選びましょう。
柔軟に対応するならユニック車をレンタル
今回ご紹介したように、扱う荷物ごとに対応するユニック車は異なります。また、メーカーによって、ラジコンの有無などもあり、操作方法も異なります。ですから、すべての大きさのユニック車をそろえたり、対応できる作業者を確保したりするのは、難しいといわざるをえません。特に、急遽、ユニック車を使用することになった場合はなおさらです。
そこでおすすめしたいのが、ユニック車レンタルです。もし、資格を持っていたとしても、メーカーによって操作に不安がある場合もあるでしょう。Jukies(ジューキーズ)では、さまざまなユニック車もご用意していますので、ぜひご検討ください。
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