フォークリフトの耐用年数とメンテナンス方法

フォークリフトの耐用年数とメンテナンス方法

さまざまな現場で使われるフォークリフトも、工事現場で使う大型の重機と同様に耐用年数が設定されています。この耐用年数は、機械としての寿命のことではなく、税務上、減価償却資産としての年数を指しており、使用できる期間とは異なります。
ここでは、フォークリフトの耐用年数と、使用期間を延ばすためのメンテナンス方法について紹介します。

フォークリフトの耐用年数とは?

重機において「耐用年数」という場合は、一般的に「使用に耐える年数」ではなく、税法上の「減価償却資産の耐用年数に関する省令」における「減価償却資産が利用に耐える年数」を表しています。
減価償却資産とは、会社で使われる設備や機械などが、使用期間の経過によって資産価値が減っていく資産を指します。フォークリフトも、使用すれば劣化していきますので、使用期間が長いほど資産価値は減っていきます。

資産価値がなくなるのは悪いことばかりではありません。購入したフォークリフトがいつまでも会社の価値ある資産であった場合、税務上はその価値に見合った税金を納めることになります。ですが、耐用年数を超えれば資産価値はゼロとなりますから、税金がかかることはありません。
取得時に全額必要経費として計上せず、耐用年数の期間に分割して減価償却費として計上することになります。

減価償却費は毎年同額を計上する「定額法」と、初年度に大きな金額を計上した後、毎年一定の償却率を掛けて、徐々に減少させていく「定率法」の2つがあります。
それぞれの計算式は以下のとおりです。

定額法:取得価額(購入額)×償却率(※)=減価償却費
定率法:未償却残高×償却率(※)=減価償却費

※購入した固定資産の法定耐用年数を基に設定。重機の種類により異なる。

購入した重機の減価償却費を定率法で支払いしたい場合は、減価償却資産の償却方法の届出書や減価償却資産の償却方法の変更承認申請書を税務署に提出する必要があります。

フォークリフトの耐用年数は4年 となっていますので、200万円でフォークリフトを購入した場合、4年間で合計200万円が減価償却費となり、定額法で支払う場合は、毎年50万円を4年間にわたって納めるという計算になります。

中古で購入したフォークリフトの耐用年数は?

フォークリフトを新車で購入した場合の耐用年数は4年ですが、中古で購入した場合は、耐用年数の一部を経過しているため、「簡便法」を用いて計算することになります。耐用年数の一部が経過したフォークリフトの場合、耐用年数から経過年数を引き、経過年数の20%に相当する年数を加えることで算出します。

例えば、フォークリフトの耐用年数は4年ですから、経過年数が2年であれば、4-2+(2×0.2)となり、2.4年が計算式上の耐用年数となります。そして、1年未満の耐用年数を切り捨てるというルールがありますので、税制で適用される耐用年数は「2年」となります。
また、すべての耐用年数が経過した重機を購入した場合、新品時で規定されている耐用年数の20%に相当する年数を加えることで算出します。例えば、フォークリフトの場合4×0.2となり、0.8年が耐用年数として算出できます。これに、1年未満の耐用年数を切り捨てるというルールを反映すると「0年」です。ただし、耐用年数が2年未満の場合は、耐用年数を2年とする別ルールがありますので、結果的には「2年」が税制上の耐用年数となります。
なお、購入金額が10万円未満の場合は、即時償却として損金経理できるルールもあります。

フォークリフトの実際の使用可能年数は?

税制上ではない、実際にフォークリフトが使用できる期間はどれくらいなのでしょうか。ここでは、フォークリフトを実際に使用できる年数とメンテナンスについて紹介します。

エンジンタイプの使用可能年数は10~15年

エンジンタイプのフォークリフトを新品で購入した場合、10~15年は使用できるといわれています。フォークリフトの耐用年数は4年ですから、資産価値がないと判断された後、少なくても6年は使える計算になります。もちろん、この年数はメンテナンス次第ですので、もっと早い段階で使用できなくなることもあります。

バッテリータイプの使用可能年数は5~10年

バッテリータイプのフォークリフトは、5年間使用できるといわれています。これは、バッテリーの寿命が5年程度であることに由来しています。きちんとメンテナンスを行い、バッテリー交換をすることで10年程度使用することも可能です。

フォークリフトの寿命はメンテンナンスで延びる

前述したように、フォークリフトの寿命はある程度決まっていますが、寿命を延ばし、より長く使い続けるにはメンテナンスが欠かせません。
メンテナンスには、乗る前に行う「始業前点検」と、月に1回行う「月次点検」、年に1回行う「年次点検」があり、いずれも労働安全衛生規則に基づいています。ここでは、フォークリフトの寿命を延ばすことにつながる定期的についてご紹介しましょう。

始業前点検

始業前点検は、フォークリフトの使用者が業務を始める前に行うメンテナンスで、以下について確認します。

・制動装置および操縦装置の機能
・荷役装置および油圧装置の機能
・車両の異常の有無
・前照灯、後照灯、方向指示器および警報装置の機能

月次点検

月次点検は、1ヵ月を超えない期間ごとに1回行う自主検査のことで、以下のメンテナンス項目を確認します。なお、月次点検の記録は、3年間保管することが義務付けられています。

・制動装置、クラッチおよび操縦装置の異常の有無
・荷役装置および油圧装置の異常の有無
・ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無

年次点検

年次点検は、1年を超えない期間ごとに1回行う自主検査のことで、有資格者や有資格事業者 に依頼して行います。メンテナンスでは以下の項目を確認し、この点検の記録は3年間保管することが義務付けられています。

・圧縮圧力、弁隙間、その他原動機の異常の有無
・ディファレンシャル、プロペラシャフト、その他動力伝達装置の異常の有無
・タイヤ、ホイールベアリング、その他走行装置の異常の有無
・かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アーム、その他操縦装置の異常の有無
・制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシュー、その他制動装置の異常の有無
・フォーク、マスト、チェーン、チェーンホイール、その他荷役装置の異常の有無
・油圧ポンプ、油圧モータ、シリンダー、安全弁、その他油圧装置の異常の有無
・電圧、電流、その他電気系統の異常の有無
・車体、ヘッドガード、バックレスト、警報装置、方向指示器、灯火装置および計器の異常の有無

フォークリフトのレンタルならJukiesにお任せください

フォークリフトを使うには、始業前だけでなく月次、年次点検が必要です。また、点検以外に、屋内かつ風通しの良いところといった保管場所も配慮しなければいけません。そのため、頻繁にフォークリフトを利用しない会社では、購入よりもレンタルのほうが適切といえます。Jukies(ジューキーズ)では、さまざまな種類のフォークリフトをご用意しています。必要な際には、すぐにレンタルできるJukiesをご検討ください。

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