物流の現場で多く用いられるトレーラー。建設現場でも大型のコンクリート部材を現場に運ぶなど、必要となる場合が出てきます。
そこでこの記事ではトレーラーの基礎知識をご紹介していきます。
トレーラーとは
トレーラーとは、牽引される「車輪のある荷台」のことを言います。
そのためトレーラーを牽引するトラクター部(正式にはトラクターヘッド、一般的にはトラクターあるいはヘッドと呼ぶ)を連結しなければ走ることはできません。
このトラクターヘッドですが、セミトラクターのヘッドには「第5車輪」と呼ばれるカプラーとキングピンが連結部に備えられており、車体に非常に大きな力が掛かるため、「第5車輪の強度が、トラクターヘッドの牽引能力」となっています。
トラクターヘッドの車検証を見ると「最大積載量○○kg」と共に、貨物を積んだ状態のトレーラーの重量が第5車輪に掛かる重量も「第5車輪荷重○○kg」として記載されています。
トレーラーの種類
トレーラーは、大型の荷物を運ぶための車輪の付いた荷台です。
たとえば工場の巨大な機械やプラントパーツ、鉄道車両、あるいは病院で使う精密検査用MRIやCTのような巨大な精密機器、太陽光パネルなどを運搬するために使います。
そのため、サイズ・機能で実にさまざまなタイプがあり、大きく2種類のトレーラータイプに分かれます。
ひとつは後輪だけを装着するセミトレーラー、そしてもうひとつは前輪と後輪を装着したフルトレーラーです。
トレーラーは、重量物の運搬に使用されるため、通常のトラックよりブレーキ性能が強化されています。メインブレーキはトラクターヘッドとトレーラーに付いている車輪すべてに作動するフットブレーキがあり、さらにこのフットブレーキをサポートするために、トレーラーのみに作動するトレーラーブレーキや補助ブレーキの排気ブレーキなど、複数のブレーキを備えたモデルがあります。
・セミトレーラー
国内で多く目にするトレーラーが、セミトレーラーです。荷台のトレーラー部には前輪がなく、後輪のみ装着されており、トレーラーの前方部分をトラクターに載せるカタチで接続します。またトレーラー部を切り離す場合は、トレーラー前方部にある補助足で支え、荷台の水平を保ちます。そのため荷重をトラクター部とトレーラー部のふたつで支えて走行するため「セミ」と呼ばれています。セミトレーラーの垂直荷重は、トレーラーの車両総重量の10%以上となります。
また後輪が1軸(1デフ)の場合は大型車両、2軸(2デフ)以上になると特大車両になるため、空荷の時や積荷が軽い場合には、自動的に車軸をリフトアップして後輪1軸でも走れるようにしたリフトアスクル機能を搭載したセミトレーラーも多数存在します。
セミトレーラーの連結時における全長は18メートルが限界となっていますが、法改正によって例外もあります、ちなみに国内で最も多いセミトレーラーは16.5メートルとなります。
・フルトレーラー
トレーラー部に前輪と後輪があるなど、荷重をトレーラーのみで支えるため「フル」と呼ばれています。
フルトレーラーの連結時における全長は2019年1月に国土交通省が特車許可基準の緩和を行い、25メートルが限界となっています。
25メートルフルトラックは、ドライバー2人分の荷物を1人で運べ、環境面でもCO2の排出量を減らせるなど、さまざまな面で効率的です。これまでヤマト運輸や福山通運などが25メーター連結のダブルトラックで実験を進めてきましたが、特車許可申請に時間が掛かるなどの問題があり、現実的には国内ではあまり見かけない珍しいトレーラーとなっています。
その他下記のようなタイプもあります。
・海コン
海上コンテナーの略語です。20フィートと40フィートがあります。
・ 重機用
重機の積み降ろしに便利なように低床タイプ等があります。
・ ポールトレーラー
鉄道車両、レール、鉄骨の骨組み、建造物の壁などコンクリート製品、あるいはロケットの機体といった、長尺かつ分解しにくい物のことを業界用語で「ポール」と呼びます。このように荷物の運搬に使用するトラクターとトレーラーは、荷物とドローバー(連結棒)を使って連結するか、あるいは荷物のみを連結して運びます。
・ フラット
言葉の通り荷台面が水平なトレーラーです。
・ 平ボディ
トラックの汎用的な荷台のように、荷台部に垂直の低い壁が付いたタイプです。
・ ダンプ
土砂積載用タイプです。
・ ウイング
荷室分の横壁が開くタイプです。
・ アルミバン
軽量アルミで荷室を作ったトレーラーです。
・ 冷凍
冷凍機能を備えたトレーラーです。
・ローリー
タンクローリーを備えたトレーラーです。ガソリンあるいは液化ガスなど、タンク内に納める物質によりさまざまな種類があり、輸送するためには危険物取扱者等の資格も同時に必要です。
トレーラーを使用するために必要な免許
正確にはトレーラーを使用するためにトラクターヘッドを運転する免許が必要となります。先ず運転業務に使用する場合はトラクターヘッドが大型のため、大型自動車免許が必要となり、トレーラー部を付けて走るためには、牽引免許があわせて必要です。
もしトレーラーを牽引せず、トラクターヘッドの移動だけで公道を走るのであれば、そのトラクターヘッドの性能が最高速度15km/h未満・高さ2メートル未満・横巾1.7メートル未満・長さ4.7メートル以下という条件で、普通免許に付帯している小型特殊免許で公道を走ることも可能です。
建設現場ではさまざまな重機が必要
運搬物によりさまざまなタイプがあるトレーラー。
積載物の種類、用途によっては、大型免許と牽引免許で使用できます。
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