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フォークリフトを安全に使うために行う自主点検とは？
荷物の上げ下ろしに便利なフォークリフトには、自主点検の義務があります。自主点検には「始業前点検」「月次点検」「年次点検」の3つがあります。
ここでは、フォークリフトの自主点検に関する知識と、効率的に点検を行う方法をご紹介します。
フォークリフトに課せられる自主点検
フォークリフトは、荷物の上げ下ろしに便利な重機の一種です。作業現場で大きな戦力となる分、不具合が生じたときのダメージは大きいものがあります。
フォークリフトには車検のようなしくみがないため、利用者がきちんと自主点検を行う必要があります。名前こそ自主点検ですが、労働安全衛生法によって定められたもので、実施を怠るなど違反した場合には、50万円以下の罰金となります。ここでは、フォークリフトに課せられる、3つの自主点検を紹介しましょう。
始業前点検：フォークリフトを利用する前に行う自主点検
始業前点検は、使用者がフォークリフトで作業を始める前に行う自主点検のことです。始業前に必ず行わなければならないため、毎日フォークリフトを使う会社であれば点検も毎日行うことになります。急に不調になることはないと思うかもしれませんが、フォークリフトは重い荷物を運んで負荷がかかり続けますし、細かい動きもします。ですから、いつどんな不具合が起こるかはわかりません。
点検内容は以下のとおりで、問題があれば業者に修理を依頼しましょう。
・制動装置および操縦装置の機能
・荷役装置および油圧装置の機能
・車両の異常の有無
・前照灯、後照灯、方向指示器および警報装置の機能
月次点検：毎月行う自主点検
月次点検は、労働安全衛生法で、定期自主検査として定められたものです。点検内容は以下のとおりで、始業前点検の内容を、より詳しくチェックします。異常が見つかったら、業者に修理を依頼してください。
なお、月次点検の記録は3年間保管することが義務付けられています。
・制動装置、クラッチおよび操縦装置の異常の有無
・荷役装置および油圧装置の異常の有無
・ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無
年次点検：毎年行う自主点検
年次点検は、1年を超えない期間ごとに1回行わなければならない自主点検で「特定自主点検」ともいわれます。点検内容は以下となりますが、始業前点検や月次点検と異なるのは、有資格者や有資格事業者によって点検が行われるという点です。
点検終了後、問題がなければ点検日が記載された「検査標章」が発行されますので、それをフォークリフトに貼り付けなければなりません。また、年次点検の記録は3年間保管することも義務付けられています。
・圧縮圧力、弁隙間、その他原動機の異常の有無
・ディファレンシャル、プロペラシャフト、その他動力伝達装置の異常の有無
・タイヤ、ホイールベアリング、その他走行装置の異常の有無
・かじ取り車輪の左右の回転角度、ナックル、ロッド、アーム、その他操縦装置の異常の有無
・制動能力、ブレーキドラム、ブレーキシュー、その他制動装置の異常の有無
・フォーク、マスト、チェーン、チェーンホイール、その他荷役装置の異常の有無
・油圧ポンプ、油圧モータ、シリンダー、安全弁、その他油圧装置の異常の有無
・電圧、電流、その他電気系統の異常の有無
・車体、ヘッドガード、バックレスト、警報装置、方向指示器、灯火装置および計器の異常の有無
フォークリフトの自主点検を効率的に行うには？
フォークリフトを使う以上、自主点検の実施は必須です。では、どのようにすれば効率的に自主点検が行えるのでしょうか。ここでは、フォークリフトの自主点検を効率的に行う方法をご紹介します。
始業前点検 や月次点検はチェックシートを使って効率的に点検
始業前点検 で確認すべき点検内容を理解していても、毎日実施している中で確認項目が抜けてしまうこともあるでしょう。そこで、点検項目はチェックシートにまとめ、都度マークしていくことをおすすめします。
チェックシートは点検漏れが防止できるだけでなく、点検をスムーズに進めることにも役立ちます。特に、フォークリフトの保有台数の多い会社で導入すると効率的です。
特定自主点検の有資格者になって効率的に点検
前述したとおり、年次点検は有資格者もしくは有資格事業者でなければ行うことができません。そのため、社内での実施が不可能な場合、外部へ依頼する必要ならず、コスト的にも時間的に負担を感じる事業社もあることでしょう。このような状況を解決するには、公益社団法人建設荷役車両安全技術協会が主催する研修を受けることで、特定自主点検の有資格者となれるため、従業員に受講させ自社内で点検が実施できる体制を整えるという方法があります。
社内での点検を可能にすることは、点検の効率化が図れるだけでなく、始業前点検や月次点検の正確性や信頼性の向上も期待できます。
フォークリフトの自主点検を行うメリット
フォークリフト自主点検は、労働安全衛生法で定められている義務ですが、実施するメリットもあります。
ひとつは、そもそもの点検の目的である「事故防止」です。そして、もうひとつのメリットが、フォークリフトの「寿命の延長」です。
点検を行えば、部品の劣化や故障をいち早く見つけることができることから、事故を未然に防ぐための早めの対応が可能になります。早い段階で不具合に対応していくことは、機械の品質の劣化を最小限にとどめ、大きな事故を未然に防ぐことにつながります。
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フォークリフトを使うには、さまざまな自主点検が必要となります。そのため、フォークリフトの使用頻度が少ない会社では、購入よりもレンタルの方が適している場合があります。
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