こんにちは。Jukiesライターチームです。
重機とは、おもに土木、建設、運搬作業などに用いられるクレーンやブルドーザーなどの大型機械のことです。一般的に建設機械と呼ばれている物と同じで、「建機」とも呼ばれています。
重機といっても、工事で使う物から鉱山などで掘削をする物、土砂を押す物、港などで荷(はい)を吊り上げる物など、用途や役割によってさまざまな種類があります。また、多軸トレーラーなど、重機を運ぶ重機といった位置付けのトレーラーもあります。
しかし、これらの重機について「おもな使い方」は知っていても、実際に何ができるのかを知らない場合もあります。そうなると、穴を掘って柱を埋めようとしたときに、知識があれば穴掘建柱車をレンタルして作業できたのに、わざわざ油圧ショベルとクレーンを用意してしまうミスが起きるかもしれません。ここでは、重機のおもな種類と役割について解説します。
■おもな重機の別称や種類と作業内容
正式名称 | 別称や種類 | おもな作業内容 |
油圧ショベル | ユンボ、パワーショベル、バックホウ | 「掘る」「すくう」作業に使用 |
ホイールローダー | タイヤ式、中折式 | 「すくう」作業に使用 |
クレーン | 移動式のクレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、かにクレーン | 「吊り」作業に使用 |
ダンプカー | ダンプトラック、ローダーダンプ | 荷物を「運搬」する作業に使用 |
モーターグレーダー | なし | 「整地」作業に使用 |
杭打機 | サイレントパイラー | 「杭の打ち抜き」作業に使用 |
舗装機械 | アスファルトフィニッシャー ・タンデムローラー | 道路の「舗装」作業に使用 |
選別機 | スクリーン | 大きさごとに「選別」する作業に使用 |
粉砕機 | ジョークラッシャー | 細かく「粉砕」する作業に使用 |
穴掘建柱車 | ポールセッター | 電柱などを立てるための穴を「掘り」、柱を「吊り上げる」作業に使用 |
目次
油圧ショベル
重機、建機と聞いて、まず頭に浮かぶのが油圧ショベルではないでしょうか。油圧ショベル、ユンボ、パワーショベル、バックホウなど呼び方はさまざまですが、先端にショベルのついた掘削用の建設機械のことです。
用途としては、先端の「バケット」と呼ばれるショベルで地面を「掘る」、土砂を「すくう」などの作業が可能です。工事現場だけではなく、公園などの整備にも活用されています。2~3tの小型の油圧ショベルであれば、自宅の庭や畑に使うこともできます。
バケット自体を別のアタッチメントに交換することにより、建設・土木だけでなく、鉱山、解体、林業、産業廃棄物の処理、金属リサイクル、農作業など、さまざまな作業が可能になります。
走行方式はクローラー式が主流です。クローラー式は不整地でも高い走行性能を誇りますが、一般道路を走行することはできません。移動をするときはトラックの荷台や、トレーラーに載せて運びます。
「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」を修了すれば、機体質量3t未満の油圧ショベルで作業ができます。
「クレーン機能を備えた車両系建設機械の取扱いについて」の要件を満たした油圧ショベルであれば、移動式クレーンとして吊り作業を行うこともできます。ただしこの場合は、油圧ショベルを操作する資格とは別に、吊り上げ荷重に対応した移動式クレーン資格と、吊り上げ荷重1t以上の場合は玉掛けの資格が必要になります。
ホイールローダー
ホイールローダーは、油圧ショベルよりも大きなバケットを車体前面に搭載した重機です。土や骨材などをすくって持ち上げるのが得意な重機です。また、堆肥や穀物の積み込み、除雪作業など、さまざまな場所で使われます。油圧ショベルが掘る機械だとすると、ホイールローダーは運ぶ機械です。土やガラ(産業廃棄物や建設廃材)をすくってまとめ、トラックに積み込む用途に使用します。前面の大きなバケットをパレットフォークなどに変更をすると、荷役作業にも使用可能です。
タイヤ式のホイールローダーは小回りが利くので、効率良く作業をこなせます。中折式のアーティキュレート構造を持つホイールローダーは走行性能が高く、運転がしやすいのが特徴です。アーティキュレート構造とは前輪と後輪のあいだに支点があります。この支点で車体を折り曲げることにより、車体が大きいにもかかわらず、小回りが利く重機となっています。
なお、キャタピラー社の「259Dコンパクトトラックローダ」は、30種類以上あるアタッチメントを付け替えることにより、建築や農業、畜産、林業など、さまざまなシーンで使用できるマルチマシンです。油圧ショベルもアタッチメントの交換でいろいろなシーンで活躍しますが、259Dコンパクトトラックローダも引けをとりません。
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クレーン
クレーンには、移動式のクレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーンなどの種類があり、用途によりさまざまです。ラフテレーンクレーンとはホイールクレーンの一種で、不整地走行を得意とするクレーンです。基礎工事に使われることが多く、一般道路も走行可能です。ただし、安全の観点から最高時速50km/hしか速度が出ないしくみになっています。
オールテレーンクレーンはタイヤの軸数が多く、ラフテレーンクレーンよりも速いスピードで走行が可能です。こちらも不整地走行が得意です。
かにクレーンは小型移動式クレーンのことで、積載型トラッククレーン(ユニック車)が作業できない場所での吊り作業が得意です。墓地や霊園などで墓石の設置などに使用されることも多く、山間部や不整地、段差がある場所でも機体を安定させることができます。
ログフォークも主に林業の現場で使用されるハサミの一種です。
大きく開く開口幅と、強力な掴む力で一度に大量の木材を積載、移動することが可能です。
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ダンプカー・ダンプトラック(ローダーダンプ)
ダンプカーは、さまざまな荷物を運搬するのに活躍しています。
ダンプトラックの一種であるローダーダンプは、荷台部分がスライドするので、一般道路を走行できない油圧ショベルなどの重機を積み込むときに便利です。車両系建設機械の技能講習では、トレーラーなどへの積み込み、積み下ろしの教習を行います。初めて道板(運搬車を通行させるために地面に敷く板)を使用した積み込み作業の講習を受けたときは、傾く重機に不安を感じた人も多いはず。荷台がスライドして積み込みができるローダーダンプであれば、クローラー式の重機の積み込みでも安心です。
土木工事などで掘削した土砂を運ぶのがダンプトラックです。車体が折れ曲がるアーティキュレート方式の機種は小回りが利きます。海外の鉱山では無人トラックも走行しています。日本でもトラックの無人走行の実証実験が始まっています。
モーターグレーダー
モーターグレーダーは、土木工事で整地作業に使用する重機です。荒地や砂利道をならしたり、道路や側溝を造ったりするときに使用します。また、除雪作業に活用されており、冬の豪雪地帯に行くと、モーターグレーダーが除雪作業を行っています。
前輪と後輪のあいだにあるブレードはモールドボードと呼ばれ、地面の土や雪を削るだけでなく、90°回転させて除雪に使用することもできます。
杭打機・サイレントパイラー
杭打機やサイレントパイラーは、建設の基礎工事で杭の打ち抜きに使用する重機です。杭打ちは、建築の際に地盤を安定させるために行う基礎工事です。柔らかい軟弱地盤に建築するときに杭打ちをして、地盤を安定させることにより地震に強い建物を建築することができます。
杭打機やサイレントパイラーは、すでに地中に押し込まれた杭を数本つかみ、その引き抜くときの力を反対の力に変えて、油圧の力で次の杭を押し込みます。
アスファルトフィニッシャー・タンデムローラー
アスファルトフィニッシャーやタンデムローラーは、道路を造るために使用する重機です。アスファルトフィニッシャーはアスファルトを均一に敷きならします。敷きならしたアスファルトは、プレートやタンピングランマーといった舗装機械や、タンデムローラーを使って締め固めます。
選別機・スクリーン
掘削作業で出た土砂、廃棄物や木質チップなどを大きさごとに選別するのが選別機やスクリーンです。土砂や廃棄物をホッパー部から投入すると、細かい物、小さな物、大きな物などに選別します。掘削や土木工事、廃棄物処理、木材の処理に使用します。
自走式スクリーンはクローラーで走行しますので、採掘現場などの不整地走行も問題ありません。
粉砕機・ジョークラッシャー
粉砕機やジョークラッシャーは、石やコンクリートガラ、アスファルト、レンガ、瓦などを細かく粉砕します。選別機やスクリーンで選別した物を細かく砕くことで、再利用が可能になります。重機以外では、木材を粉砕するチッパーなどの機械もあります。
鉱山や採掘現場で使用する大型の物、庭や畑で使用する小型の物まで、粉砕機のサイズは多数あります。
穴掘建柱車
穴掘建柱車(あなほりけんちゅうしゃ)は、ポールセッターとも呼ばれる、電柱やトランス設置専用の掘削機能を備えたクレーンです。トラックメーカーのトラックに、クレーンと掘削機を取り付けた架装車です。
掘削スクリューで電柱などを立てるための穴を掘り、柱を吊り上げて設置します。この穴掘りと吊り上げ設置が1台でできるのが穴掘建柱車です。
重機に合わせたオペレーターをいっしょにレンタルしよう
重機にはさまざまな種類があり、それぞれ役割が異なります。重機が変われば、必要な免許も変わりますので、すべての建機を購入し、操作する人材を確保することは難しいでしょう。
そのようなときは、必要な重機をレンタルできるサービスがおすすめです。Jukies(ジューキーズ)では、通常の重機レンタルに加え、クレーンと高所作業車はオペレーター付きでレンタルが可能です。「現場で重機が必要になったがオペレーターが見つからない」といった際には、ぜひご利用ください。