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溶接機の使い方と注意点
素材を溶融させて接着させる溶接機にはさまざまな種類があり、少しずつ使い方が異なります。
ここでは、種類別に溶接機の使い方を解説した上で、溶接の際に注意したいことをご紹介しましょう。
アーク溶接機の使い方
まずは、代表的なアーク溶接機である、手動で溶接を行う「被覆アーク溶接機」と、溶接棒(ワイヤー)を自動供給できる「半自動溶接機」の2つの使い方をご紹介します。
被覆アーク溶接機
被覆アーク溶接機は、溶接機本体に接続されたトーチに溶接棒を取り付けて、溶接したい素材にこすり付けます。溶接機をスタートさせると素材と溶接棒が溶融し、冷えて固まることで溶接されます。溶融した溶接棒が素材につきやすいのと、素材が薄いと穴を開けてしまうため、初心者には難しいとされています。また、溶接棒が溶けていくので、作業中に溶接棒を交換しなければいけません。
半自動溶接機
半自動溶接機であるミグ溶接機やマグ溶接機の使い方は、基本的に被覆アーク溶接機と同じですが、スイッチを押すだけで溶接棒が自動的に供給される点が異なります。溶接棒の取り付けや交換がいらず、スイッチを入れるだけで溶接をスタートできるため、初心者向きの溶接機といえます。
溶接機を使う際に注意すべきことは?
一般的なアーク溶接機を使って溶接作業をするには、資格などは必要ありません。日本溶接協会が認証する「溶接技能者」という資格はありますが、溶接技術の保証という点でしかありません。つまり、技術の修練度合で作業自体を制限されることはないのです(ガス溶接を除く)。
とはいえ、資格がいらないからと、高温になる溶接機を気軽に使うのは危険です。ここでは、溶接機を使う際に注意すべきことをご紹介します。
溶接素材や目的に合った溶接機を選んで使うこと
溶接機には、放電電極が溶ける「消耗電極式」と溶けない「非消耗電極式」があるだけでなく、シールドガスに使われているガスの種類も異なります。種類によって、仕上げ面がきれいな物、アルミを溶接できない物などがあるため、素材や目的に合った溶接機を選ぶ必要があります。代表的な溶接機の種類と特徴は以下のとおりです。
・被覆アーク溶接機
被覆アーク溶接機は、風の影響を受けにくいという特徴があり、屋外作業に適しています。人力で作業するため、作業者の技術で仕上がりの精度が変わることがあり、注意が必要です
・ミグ(MIG)溶接機
ミグ(MIG)溶接機は、アルミニウム合金、ステンレス鋼、耐熱合金鋼などの素材の溶接に向いています。また、仕上がりがきれいなのが特徴です。
・マグ(MAG)溶接機
マグ(MAG)溶接機は風に弱いため、屋外作業には向いていません。また、アルミニウムなどの非鉄金属の溶接には使えません。
・CO2溶接機
CO2溶接機は、マグ溶接機同様、アルミニウムなどの非鉄金属の溶接には使えません。
・ティグ(TIG)溶接機
ティグ(TIG)溶接機は、ほとんどの金属の溶接が可能ですが、機種によってはアルミニウムが対象外となる場合もあります。仕上がりがきれいなので、見た目が重要になる車やバイクなどの溶接に適しています。
・プラズマ溶接機
プラズマ溶接機は、熱源にプラズマアークを利用して5,000~7,000℃以上の高温で溶融させるので、素材の変形が少ないのが特徴です。高い品質条件を要求されるレーザー溶接の代替手段としても有効で、板厚が8mmまでの薄板溶接に適しています。
溶接棒(溶加材)などの消耗品を多めに準備しておく
溶接作業をする前に確認したいのが、溶接する素材に近い溶接棒の分量があるかどうかです。作業中に溶接棒を切らしてしまえば、作業を中断するしかありません。足りるではなく、余るくらいに準備したほうが安心です。
安全確保のため保護具などの装備をそろえる
溶接は、鉄も溶かしてしまうほどの熱を発生させる危険な作業です。そのため、火花でやけどをしないように、溶接用の長手袋や溶接靴を使用しましょう。
また、アーク放電で発生する光を裸眼で見ることは危険です。必ず遮光溶接面と呼ばれるマスクを使いましょう。マスクには、かぶるタイプと、手で持つタイプがありますが、作業中両手が自由になるかぶるタイプがおすすめです。また、アークの光があるときだけ暗くなる「自動遮光」タイプのマスクもあり、こちらは、通常作業時に視界がクリアなので便利です。
延長コードは電圧が降下するので使わない
延長コードを使って溶接機に電源をつないだ場合、溶接で負荷がかかると電圧が下がり、誤作動が起きるおそれがあります。溶接する素材を移動させるか、電源を必要としないエンジン式の溶接機を使い、できる限り延長コードの使用は避けましょう。
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溶接機を使う際には、本体以外に保護具なども必要となりますので、すべてをそろえるにはコストがかかります。
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