はい作業主任者技能講習を受講するには?

倉庫などに積まれた荷物の上げ下ろしをする「はい作業」は、フォークリフトを用いて行うことが多いでしょう。一見、簡単そうなはい作業ですが、積み方が悪ければ荷崩れを起こしてしまい、重大な事故につながる可能性もあります。そのため、事業者は「はい作業主任者技能講習」を修了した者のうちから作業主任者を選任し、作業者への指揮をさせなければならないと定められています(作業主任者については労働安全衛生法第14条、はい作業については労働安全衛生法施行令第6条第12号)。また、場合によってはクレーンを使った作業が発生することもあるでしょう。

ここでは、レンタル担当者が知っておきたい、「はい作業」とは何なのか?そして、それを行うはい作業主任者技能講習について説明します。

はい作業とは?

はい作業の「はい」とは、倉庫や上屋(うわや)、または土場などに積み重ねられた荷物のことを指します。この荷物とは、袋や箱、俵などで梱包された状態の物ですが、木材も「はい」に該当します。小麦、大豆、鉱石などのばら物は、「はい」には含みません。

こうした袋物や箱物などの「はい」を、一定の方法で規則正しく積み上げる「はい付け」や、積み下ろす「はいくずし」することを、「はい作業」と言います。

はい作業に使う荷役機械

はい作業をする場所は、店舗のバックヤードや工場、物流倉庫、市場、空港、港など、荷物を積み上げたり、積み下ろしたりする可能性のある所で行います。

はい作業には、扱う荷の品目や荷姿により人力で行うケースと、荷役(にやく)機械を用いて行うケースがあります。フォークリフトや移動式クレーンを使用すると、人力では持てないような重い荷物を扱うことが可能です。例えば、パレットや荷物を、倉庫の天井近くまで積み上げたり、港の港湾作業でコンテナを積み重ねたりする場合は、荷役機械を使います。

荷役機械としては、フォークリフトと移動式クレーン以外にも、クレーンなどがあり、それらを組み合わせるケースも多くあります。ここでは、はい作業に使う荷役機械をご紹介しましょう。

フォークリフト

フォークリフトは、荷を積載するフォーク、ラム等を上下させるマストを装備した、動力付き荷役運搬車両のことです。重い荷物の上げ下ろし、移動などの作業の効率化を目的として、さまざまな業種の現場で活用しています。

フォークリフトの大きさは、小規模な倉庫や小売店で使用する、最大荷重1t未満の物から、倉庫や工場で使用する最大荷重1.5~3tの物、空港や港湾作業で使用する10t以上、20t以上の物まで、作業に合わせて使用されています。

フォークリフトを使用するには資格が必要です。最大荷重1t未満のフォークリフトの運転には「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」、最大荷重1t以上のフォークリフトの運転をする場合には「フォークリフト運転技能講習」を受講し、修了証を交付してもらう必要があります。

クレーン

はい作業に使うクレーンは、倉庫や工場などの天井に設置されているクレーンのことです。荷物を吊り上げ、クレーンの移動範囲内に動かすことができます。

吊り上げ荷重5t未満のクレーンなどを動かすことができる特別教育のほか、床上操作式クレーン運転技能講習、床上運転式クレーン限定免許、クレーン・デリック運転士免許(クレーン限定)など、使用する機械によって取得する資格が異なります。なお、いずれの資格も、吊り上げた荷物の掛け外しを行うためには、「玉掛け技能講習」が必要になります。

移動式クレーン

移動式クレーンとは、倉庫や工場などの天井に設置されているクレーンとは異なり、クレーン自体が不特定の場所に移動できるクレーン車のことを指します。

クレーン車の運転には、一般道路を走行するための運転免許証(中型自動車免許、大型自動車免許、大型特殊車免許など)が必要となります。実作業では、クレーン自体の操作のための「移動式クレーン運転士」の資格と、荷物の掛け外しのための「玉掛け技能講習」が必要です。

ガントリークレーン

ガントリークレーンは、港湾荷役で使用するクレーンで、港にある赤と白に塗り分けられたクレーンのことです。「ガントリークレーン運転」の研修を受けるには、クレーン・デリック運転士免許が必要など、取得までのハードルは高くなります。

はい作業主任者技能講習とは?

はい作業は、荷物の積み上げ(はい付け)や、積み下ろし(はいくずし)を行う、危険を伴う作業です。また、はい付けの仕方が悪いと、自重によって荷が崩れて、重大な事故に至ることがあります。墜落・転落災害、飛来・落下災害、機械災害を伴う危険性の高い作業のため、十分な経験と技能、安全管理について知識がある者が指揮をとることが災害防止の観点から重要です。

そのため、労働安全衛生法第14条では、2m以上のはい付け、または、はいくずし作業に3年以上従事し、はい作業主任者技能講習を修了した者のうちから作業主任者を選任して、作業者への指揮をさせなければならないと定めています。

はい作業主任者技能講習を受講するには、「満21歳以上であること」と「2m以上のはい付け、または、はいくずし作業に3年以上の経験があること」が必要です。後者の条件は、受講の際に事業者の経験証明が必要となる場合があります。受講時間は12時間(2日間)となります。

はい作業主任者になるまでのキャリアプランを考えよう

荷物を積み上げたり、積み下ろしたりする作業を、安全かつ効率良く行ためには、作業の指揮者であるはい作業主任者配置する必要があります。

しかし、はい作業主任者になるための「はい作業主任者技能講習」を受講するには、実務経験が必要となるため、簡単に受講することはできません。そこで、例えば「フォークリフト特別教育」からスタートし、「フォークリフト運転技能講習」を取得、最後に「はい作業主任者技能講習」とキャリアアップしていくようなプランを考えてみてはいかがでしょうか。はい作業に関わるすべての工程をマスターすれば、この上ないキャリアとなるでしょう。
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