重機には、公道を自走できるタイプと自走できないタイプがあります。
特にショベルカーやホイルローダーなどの重機は、自走できないタイプが多く、保管庫から現場へ移動するためには、運搬車を使用することになります。
そのため重機の見積には、「重機回送費」という項目を見受ける場合があります。
この重機回送費、つまり重機の輸送費ですが、なぜレンタル会社によって異なるのでしょうか。次の項目で具体的な比較を交えて、解説いたします。
目次
重機の輸送費(重機回送費)はどのように算出されるのか
基本的には輸送する重機のサイズ (4トン未満、大型、トレーラー等)とドライバーの免許によって分けられ、次に案件毎に移動距離料金を加算する構造になっています。
運搬の際にどのような車両が必要か、また重機を何回運搬するかで輸送費は大きく変わります。
さらにクレーン付き車を指定した場合や積み込み作業は別途としている会社と含まれている会社があります。
一般的に輸送費の安い会社と高い会社では約2倍の差があると言われています。この差は基本価格に含まれるサービスの違いや、重機の保管状況と配送方法の違いによるものです。
具体的には、同じ重機を依頼した場合に、同じエリアの会社で比較した場合であれば運送費もほぼ一緒になると考えられますが、実際はA社では高く、B社では安いといった差が生じます。
たとえば依頼した重機を自社で所有しておらず他社からレンタルして使用する場合は、運搬費用が高くなる場合があります。
次に重機回送費に含まれている作業内容の違いです。
単純に重機の運搬費用のみを見積もっている会社もあれば、積み込み作業を別としたり、解体現場で出た廃棄物を処分場まで運ぶ費用を含めていたり、さらには、重機の輸送費を請求している会社としていない会社があります。
これは重機の輸送費を基本料金の中に含めている会社もあるということです。
各社共に運搬費に含まれる内容が異なるため、このような差が生じています。
見積もりを正しく判断するためには、多くの経験が必要となります。
輸送する場合の注意点
各社共に大きく異なる輸送費ですが、注意点は、重機の輸送費に何が含まれているのか、正しく確認することが第一です。
輸送費のチェックポイント
・ 重機の輸送費が基本料金に含まれているか別途か確認する
・ 重機の輸送費に何が含まれているのか確認する
・ 依頼した重機の保管場所と、どこから運搬するのか確認する
次に、特殊車両の通行許可が必要かどうか、確認する必要があります。多くの場合は重機を貸し出しする会社が適切なアドバイスを行い、申請をサポートしてくれますが、新規申請および変更申請の場合は3週間、更新申請の場合は2週間という標準処理期間があり、適切なタイミングで依頼しないと「通行許可待ち」という事態に陥ります。
依頼時のチェックポイント
・特殊車両となる場合は、通行許可書の申請を早期に行う
新規申請および変更申請は3週間、更新申請は2週間の処理期間が掛かる
重機輸送に関わるトラブル
重機の輸送では、5大トラブルがあります。
重機輸送の5大トラブル
・ 納期遅れ
・ 採寸ミス
・ 倉庫(保管庫)手配ミス
・ 想定外の費用オーバー
・ 現場設備および重機の破損
まず「納期遅れ」ですが、これは所轄機関等への申請処理の遅れや、天候によるものや、搬入経路の制限に気づかなかった、梱包・輸送の作業時間を見誤ったなど、実に様々な原因があります。
実施時には早期に作業計画書をまとめ、必要な重機を確定し、その輸送計画を周知しておくことが必要です。
次に「採寸ミス」ですが、これは事前に現場への搬入経路の下見を怠った、あるいは高さ制限を見落とした、また養生・梱包材の寸法を考慮していなかったなどの原因から生まれます。
「倉庫(保管庫)の手配ミス」ですが、重機によっては保管庫が必要な重機もあります。盗難や悪天候から守るための配慮も必要です。
「想定外の費用オーバー」は、納期遅れや採寸ミスなどにより、計画予算がオーバーしてしまうことです。
また「現場設備の破損」は、重機の取り回しにより外壁を壊した、あるいはレンタルした重機の部品を壊してしまったなどのトラブルです。
これらのトラブルを防ぐために、作業計画書や移動工程表、車両配置図など、必要に応じて作成することが有効でしょう。
重機輸送をレンタルで合理的に
重機を輸送する。それは、重機を使用するための準備作業にすぎませんが、この工程でトラブルが発生すると、本来の作業計画に大きく支障を与える「工期遅れ」や「予算超過」をおこしてしまいます。
そうならないためにも、輸送費をチェックし、合理的な判断でレンタルサービスを活用するのもひとつの手です。(※Jukiesでは輸送費のみの金額提示は行っておりません)まずは、どんな重機が手配できるのか、ぜひJukiesでご確認ください。